大人のスキップ

日々のことや好きなものについて

いい加減にしてほしい

師走とはよく言ったもので、お坊さんではないけれど、何故だか最近やたらと忙しい。山場にまとめてドーンと来るならまだしも平均して地味に忙しいので、毎日やりたいことを消化できず、心身が疲弊していっているような感覚になる。こういう時、ズボラな自分が表に出てきて生活が疎かになってしまうのもなんだか嫌だ。開けた勢いで外れてしまったドアのネジはそのままだし、とっくに乾いている折り畳み傘の回収を面倒くさがったばかりに、何本目かのビニール傘を買うという愚行を働いてしまった。同じくらいのペースでビニール傘が増えていく、顔も見たことのない同じ階の住人に勝手な親近感を覚えている。そんな中、入社当時の研修ではずっと一緒だったが、普段職場では会うことが少ない同期と飲みにいくことがあった。時間で考えると短い付き合いだが、同じタイプの人間だからか、取り繕っていない自分の本質を分かってくれていてとても楽だ。仕事に対して思っていることをあーだこーだ言い合っていたら、心が軽くなったのを感じた。仕事終わりに飲みに行けることのありがたみよ。

少し前のことになるが、カネコアヤノの武道館ライブへ行った。早々に仕事を切り上げ会場へ向かう電車の中、引き取った電子チケットを見るとステージ真前の席だったので、心の中でガッツポーズをした。カネコアヤノのライブは今年も何度か観たけれど、その中でもベストだったのではなかろうか。武道館の舞台でもライブは変わらず堂々としたもので、時折、渋谷のタワレコで『来世はアイドル』のCDを買った時のことや、小杉湯の小さな浴場で弾き語りを見たことを思い出した。「祝日」、「退屈な日々にさようならを」など、全編ず〜っと良かったのだけれど、アンコールの「アーケード」が始まったときの光景は今も目に焼き付いていて、間違いなく最高の瞬間オブザイヤーだった。帰宅後、ライブに間に合わせるために放っぽり出してきた仕事を片付ける。あの時間を過ごした後なら、この程度屁でもない。好きなものがあるから生きていける、なんて大袈裟なことを恥ずかしげもなく大真面目に思うことが年に何回かあって、この夜もそのひとつだった。

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ライブでは演奏していないけれど、私がカネコアヤノを知ったきっかけであり、武道館を出る時に前を歩いていた女の子2人組が何故か口ずさんでいたこの曲を貼っておきます。

スイミング

スイミング

  • カネコアヤノ
  • ロック
  • ¥204

ここ最近は年末に向けて、今年面白かったものを振り返っている。この時間は毎度とても楽しいが、同時に観れていない・読めていないものも浮き彫りになり、非常にもどかしい気持ちになる。オードリーANNでの「面白いエンタメが多すぎる、いい加減にしてほしい」という若林さんの発言を噛み締める。こんな時は「あれもしたい これもしたい もっとしたい もっともっとしたい」と、あのメロディが頭の中に流れてくるのです。

直近で観たものだと『ベイビーわるきゅーれ』が評判に違わず面白かった。キャラと掛け合い、何気ないショットが魅力的だからそれだけでずっと観れてしまうのだけれど、そこにあのアクションシーンがくるもんだからそりゃもうね。「女子高生の殺し屋」という設定を一発で納得させてしまう、伊澤彩織さんのアクションの素晴らしさよ。この前レイトショーで観に行った『マリグナント 狂暴な悪夢』も、とても面白かった。一番興奮したポイントを伝えようとするとネタバレ不可避になってしまうため、かなりもどかしいのだが、ホラーとグロが大丈夫な人は是非見て欲しい。関係ないけれど、藤本タツキ先生はこの映画2本とも好きそうだなと勝手に思った。ときに『チェンソーマン』2部とアニメはまだですか…。

こうも寒いと朝がしんどい、というのは今更言うことでもないのだけれど、言わせてほしい。しんどい。ついこの前の水曜は見た夢のせいか寝起きが最悪だったのだけれど、駅に向かう道すがら聴いた、その日リリースされた家主のアルバムがとても良くて、色々とどうでも良くなってしまった。明日からの5日間も週末のM-1を楽しみに乗り切れそうなことだし、好きなものに生かされているというのは、あながち大袈裟でもないのかもしれない。でもやっぱ寒いのはしんどい。