MY BEST HITS 2023 ~音楽編 part1 (Albums)~
▪️アルバム
今年よく聴いた・印象に残った・シンプルに好きだった作品です。選ぶのに苦戦してベスト80という半端な数になってしまいました。1〜9まではその中でも特にお気に入りで、それ以降は順不同です(数字は順位という訳ではありません)。
今年はHipHop色が若干強いのと、一時期、日本のインディーズバンドdigに興じていた影響が割と出ている気がします。
1. JJJ『MAKTUB』
前作(これも傑作!)から約6年ぶりの3rdアルバム。お馴染みのプロデューサー、客演を迎えつつ、今までとはまた違うアプローチになっている。これは単純に今年一番好きで、一番聴いた作品でした。叙情的なリリックと強度を増すラップ、トレンドも入れ込んだ多種多様なビート、全てが好み。まさに今、今朝届いたLP盤を聴きながらこれを書いていますが、音も凄く良いのです。
2. JUMADIBA『nobori - 上り』
Ralphの「Get Back」から初めて知って、そこからこのミックステープをしばらく聴いていました。気の抜けたようなフロウと、それでいてパンチラインを刺してくる感じが、かなり気持ち良く癖になる。彼も含め、何故だか昔から、飄々とした佇まいのアーティストに惹かれてしまう。
3. カネコアヤノ『タオルケットは穏やかな』
バンドメンバーの脱退などを経てリリースされた6枚目のアルバム。今までの作品では、バンドサウンドが少し引いた立ち位置にあったように思う(そして、だからこそライブでの激しい演奏に良い意味でギャップを感じていた)のだけれど、「わたしたちへ」や表題曲のギターをはじめとして、今作はライブに近いバンドサウンドが音源として収められている。そういった意味では、今までで一番しっくり来た感覚がありました。何はともあれ表題曲が大好きです。それまでに歌われた、変わりたい/変われない、不安/安心と揺れ動く心。その曖昧さを肯定し包み込んでいくかのように鳴らされる、ノイジーなギターの響きがあまりに美しい。
4. Homecomings『New Neighbors』
彼、彼女らのルーツにあるギターポップやポップパンクをベースに鳴らされる美しいメロディと日本語詞。「成熟」という言葉が相応しいように思えるアルバムで、個人的にはもうスピッツなんかと同じ括りで聴いてしまっている。そんな中でも、「US / アス」は初期の瑞々しさを思い出すような感じもあり、集大成的な曲になっていてとても好きです。
5. Sufjan Stevens『Javelin』
心の名盤『Carrie & Lowell』以来、約8年振りとなる完全なシンガーソングライターモードでの作品、とのことでかなり期待をしていたのですが、それを裏切らない傑作でした。逝去したパートナーへ捧げられたという今作は痛みを孕んでいるのだけれど、同時に美しくもあり温かさを感じる。そういう意味ではやはり『Carrie & Lowell』に通ずるところがあるし、エレクトロ/オーケストラルな要素には、今までのキャリアが詰め込まれたような印象も受ける。豊かで美しい音に彩られた、愛と喪失の音楽。
6. Gia Margaret『Romantic Piano』
イリノイ州シカゴ出身のシンガーソングライター / プロデューサー、Gia Margaretによる3rdアルバム。デビューアルバム発売後のツアー中に倒れ、声を失ってしまった時期に制作された前作に続いて、今回もインストを主としたアンビエント作品。今回はよりミニマルに、ピアノとフィールドレコーディングの音が中心となっているのだけれど、音数が少ないからこそ一つ一つの音が染み渡るように響いてくる。あまりに美しいので、これを聴きながら朝の光に溶けてなくなりたいという謎の感情を抱きました。『Romantic Piano』というタイトルもなんだか好き。
7. 家主『石のような自由』
私的に待望!の3rdアルバム。シンプルにグッドメロディとかっこいいギターが鳴っていればそれで良いじゃんね、と思わせてくれる最高のギターロック。昔から「後ろ向きに前向き」なスタンス(ままらないことばかりだけど何とかやって行こうぜ、みたいなやつ)が自分の感覚的にしっくりくるので、歌詞も凄く腑に落ちる。いつも彼らの音楽にはかなり助けられております。
8. TOMOO『TWO MOON』
昨年メジャーデビューをしたシンガーソングライターTOMOOの1stアルバム。名曲「Ginger」を含む13曲のポップミュージックが堪能できます。良質なメロディと歌。単純にポップミュージックとしての強度が凄いなと思います。もっと売れてなきゃウソでしょ。ときに、彼女が所属するIRORI Recordsは髭男、スカート、Homecomingsらを擁しており、非常に信頼できる。
9. Summer Eye『大吉』
元シャムキャッツの夏目さんによるソロプロジェクト、Summer Eyeの1stアルバム。 脱力したポップミュージックで、リリースされた当時の気候がなんだかそれにピッタリで、繰り返し聴いていました。多分寂しさからだと思うのだけれど、シャムキャッツが解散してから各々の活動にはあまり熱心になれなかった。それがこのアルバムを聴いて、やっとこさ気持ちに整理がついてきた感じがあります。(もちろん昨年のSAMOEDOも良かったですが)
以下、順不同
10. ART-SCHOOL『luminous』
11. Avalon Emerson『& The Charm』
12. Beach Fossils『Bunny』
13. Benny Sings『Young Hearts』
14. the bercedes menz『ザ・ベルセデス・メンツの幸福な子供たち
15. betcover!!『馬』
16. Blake Mills『Jelly Road』
17. Buck Meek『Haunted Mountain』
18. Cautious Clay『KARPEH』
19. cero『e o』
20. CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN『tradition』
21. Cleo Sol『Gold』
22. Cory Wong『The Lucky One』
23. Cruyff『lovefullstudentnerdthings』
24. Daniel Caesar『NEVER ENOUGH』
25. Door Plant『Drowsiness of DOEK』
26. Drake『For All The Dogs』
27. Eloise『Drunk On A Flight』
28. Far Caspian『The Remaining Light』
29. feeble little horse『Girl with Fish』
30. Galileo Galilei『Bee and The Whales』
31. Geese『3D Country』
32. Gezan with Million Wish Collective『あのち』
33. H 3 F『Chalawan Sound』
34. Hotline TNT『Carwheel』
35. Ítallo『Tarde no Walkiria』
36. Kamui『RAFRAGE』
37. Kassa Overall『ANIMALS』
38. King Krule『Space Heavy』
39. Knower『Knower Forever』
40. LADY FLASH『どこにもいけないドア』
41. Lamp『一夜のペーソス』
42. Le Makeup『Odorata』
43. The Lemon Twigs『Everything Harmony』
44. Lil Soft Tennis『i have a wing』
45. Lil Yachty『Let's Start Here.』
46. L'Rain『I Killed Your Dog』
47. McKinley Dixon『Beloved! Paradise! Jazz!?』
48. Naked Under Leather, 没 a.k.a NGS『Revolver』
49. never young beach『ありがとう』
50. Noname『Sundial』
51. NORIKIYO『犯行声明』
52. Oracle Sisters『Hydranism』
53. The Otals『U MUST BELIEVE IN GIRLFRIEND』
54. PAS TASTA『GOOD POP』
55. PinkPantheress『Heaven Knows』
56. SADFRANK『gel』
57. Sam Wilkes『DRIVING』
58. Sampha『Lahai』
59. Shrimpnose『As It Seems』
60. SPOILMAN『COMBER』
61. TEMPLIME & 星宮とと『POP-AID』
62. Texas 3000『tx3k』
63. Travis Scott『UTOPIA』
64. Watson『Soul Quake』
65. waveform*『Antarctica』
66. Wednesday『Rat Saw God』
67. Yo La Tengo『This Stupid World』
68. Young Thug『BUSINESS IS BUSINESS』
69. 君島大空『no public sounds』
70. スピッツ『ひみつスタジオ』
71. 生活の設計『季節のつかまえ方』
72. 中川理沙『動物の庭』
73. 羊文学『12 hugs (like butterflies)』
74. ひとひら『つくる』
75. 冬にわかれて『flow』
76. 松木美定『THE MAGICAL TOUCH』
77. 山二つ『テレビ』
78. 夢見る港『やあ、おはよう』
79. 揺らぎ『Here I Stand』
80. ゆるふわギャング『Journey』
◼︎EP、ミニアルバム
EPやミニアルバムって年間ベストの対象から外されがちじゃない?、とは言えアルバムと同じ基準で選ぶのもなんか違くない?ということで毎年別枠で選んでおります。
・エスキベル『Childhood(発達)』
中でもこのEPをよく聴きました。全体的に音像が好みで、気怠げなんだけれど視界が開けていくような感じも好きです。
・Fennel『Mixed up』
・James Ivy『Everything Perfect』
・Naive Super『NWOAOR』
・the neverminds『Nevermind, The Summer.』
・NewJeans『Get Up』
・Qoodow『水槽から』
・TIDAL CLUB『寝汗と気鬱 わすれた何か』
・Uilou『In My Mind』
・XG『NEW DNA』
・YOUNG POSSE『MACARONI CHEESE』
・人生葬送派『人生爆発派』
・砂の壁『GUMBO』
・高山燦基『掬ぶ』
・星野源『LIGHTHOUSE』