大人のスキップ

日々のことや好きなものについて

おくりもの

随分と前に注文していたレコードが今日、長旅を終え、海の向こうから私の元へ届いた。注文したことさえ忘れていたので、過去の自分から贈り物が届いたような気がして、ちょっぴり嬉しかった。

過去からの贈り物と言われて真っ先に思い浮かぶのは、タイムカプセルだとか「十年後の自分へ」的な手紙だとかいった類のものだ。だが実は改めてよく見渡してみると、それは私たちの生活のあちこちに転がっているのかも知れない。

酔った勢いでした約束。その帰り道、コンビニでなんとなく買って冷凍庫に放り込んだアイス。とりあえず申し込んでおいたライブのチケット。いつか使うと思って多目に買っておいた乾電池。ある日気がつくと振り込まれている交通費。人に貸していた3,000円。

勿論、嬉しい贈り物だけではない。

手をつけていない夏休みの宿題。意識高く早めに設定した目覚まし時計のアラーム。使いすぎたクレジットカードの支払い。二日酔い。筋肉痛。

今、私の視界の端には、洗濯物の山が積み上げられている。これが嬉しい贈り物となるか、はたまた嫌な贈り物となるか。すべては今日の私の肩に掛かっている訳だが、私はよく知っている。ブルーに支配されそうな日曜の夕方に見るこの山ほど、嫌なものはないということを。重い腰を上げてアイロン掛けに取り掛かるとしよう。せいぜいありがたく思いたまえ。これは明日の自分への贈り物だ。