大人のスキップ

日々のことや好きなものについて

『海街diary』を観た話

 先日渋谷で暇を持て余し、ふらっと映画館へ立ち寄った。観た映画は以前から観たいと思っていた『海街diary』。とても良かったので感想のようなものを。

f:id:taka_71:20150716091110j:image

 上映終了後、近くの席にいた女子高生が「抑揚のない感じだったよねー」と話していたのが聞こえた。確かにこれといって大きな事件は起こらない。嬉しいこともあれば悲しいこともあるし、たまに悩んだりもする。そんな普通の日々が続いていく。血は繋がっているが、共に過ごした時間のなかった三姉妹とすず。移りゆく季節の中、何気ない日々が淡々と積み重ねられてゆく。次第に彼女らの他愛ない会話ややりとりが愛おしくなる。そしてラストの浜辺のシーン。死ぬ間際に思い出すものは何か、という会話の中で「すずは?」と問われた四女が口にするあの答えである。セリフをちゃんと思い出せないのが物凄く悔しいんだけど、確かにそこで感動したんです…!

 いくつかある好きなシーンのうちのひとつ。千佳とすずがちくわカレーを食べながら、これはおばあちゃんの味なんだ、あれはお父さんの味だったんだ、といったやりとりをするシーン。ここがとても良かった。姉妹の前では父親の話をし難いと言っていたすずが、ここで初めて「お父さんは釣りが好きだった」と、父親の話をする。このときの千佳の嬉しそうな表情が印象的だった。ちくわカレー、しらすトースト、シラス丼、梅酒、アジフライといった食べ物が、居なくなった人たちの記憶を宿し、ときに人を繋いでいく。4人が名前を刻んだ梅で作った梅酒は、きっとこれから新しい記憶を宿していくのだろう。この日は外食するつもりだったが、母親の料理が食べたくなった。

 汚い部分を排除した映画だ、みたいな感想をどっかで見た気がするが、確かに綺麗すぎるよなー、とは思った。原作はその辺どうなんだろう。

 あと気になった点として、前半で「アレしといて」とか「アレだから」みたいな言い回しが意識的に多用されていたと思うのだけど、どういった意図があったんだろう。もう一回みて確認したい。

 それにしても良い映画だった。最近観たマッドマックスやアベンジャーズのような気持ちが昂ぶるものとはまた違った良さ。穏やかな気持ちになった。あと正直全く興味なかったんですけど、広瀬すずいいですね。変な意味じゃなく。原作未読だったのでとりあえず3巻まで購入。読むのが楽しみ。

 久々に鎌倉とか江ノ島辺りへ行きたいな。