日々のこととか

日々のことや好きなものについて

雑記

雨の中、傘もささずに駆けて行くプールバッグを提げた小学生3人組。虫網と虫かごを装備して孫の手を引くおじいちゃん。スマホ片手にポケモンを捕まえるお父さんと娘。嗚呼、夏休み真っ最チュウである。時に今年のポケモンの映画は「ピカピカまっさいチュウ」の「君がいつか出会う 未来の子供たちに 今年の夏の物語 聞かせてあげよう」を体現していてとても素敵だ。観ていないですけど。毎日が夏休みだったら良いのにな、という祈りが以前より切実なものとなっていく。本格的に仕事が始まり、消耗する日々なのです。仕事終わりに行った居酒屋でSMAPの「俺たちに明日はある」がふと流れてきて、なんだか背中を押されたような気持になった(だいぶやられてない?)。今の段階をすっ飛ばして仕事や人間関係に慣れた状態になりたい、というのは甘えですけど、早く自分の裁量で動けるようになりたい。そうなればある程度変わってくるはず。ともかく「ぼちぼちやっていく」マインドを大切にしていきたいっすね。ままならないことばかりだけど、まぁ、なんとかやっていく、というやつ。幼少期に『ぼちぼちいこか』という絵本が好きだったことを思い出して、実はそこに原点があるのでは、なんてことを思うのでした。関西弁による翻訳が絶妙なのです。

ぼちぼちいこか

ぼちぼちいこか

 

最近、オノマトペ大臣の『街の踊り』をよく聴いている。パンチライン盛り沢山な曲たちのなかでも特に「CITY SONG」が好きなのだ。

仕事を抱えた僕達は

週末の夜に無理して会った

眠気こらえた月曜の朝

走る街は君を躍らせた

泣けるぜ。ちなみにフリーダウンロードでございます。

Maltine Records - [MARU-098] オノマトペ大臣 - 街の踊り

Special Favorite Musicの「Royal Memories」という曲がお気に入り。このバンドに関しては「Ceremony」みたいな曲よりも、こっちの方向性のほうが好きだ。潔いほど突き抜けたポップネス。過去に忘れ去られた煌めきの一瞬。そのかけらを集めて未来を明るく照らし出す。MVも相まって素晴らしい。

甘く酔うステップ 止まらないストーリー

君と見た全ての光 涙あふれるような

一瞬の気持ち ねえいつも

時の彼方へ 吸い込まれていく

騒がしい胸のざわめき 生まれては消えてくね

君を想い そして忘れて行く

美しさの中で

他には宇宙ネコ子の『Night Cruising Love / parks』。入江陽のフィッシュマンズ佐藤伸治ライクな歌声が堪らないのです。

いつかは君を忘れるけど

魔法のような日々が続くのさ

「parks」

なんだかどちらも小沢健二の「さよならなんて云えないよ」を想起してしまった。フジロック行きたかったなあ。 

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平日の夜に映画の一本でも観に行く余裕は欲しいところだ。暇を見つけて観に行った『スパイダーマン : ホームカミング』は戦闘シーンが全体的に暗くて分かりにくかったのがちょっと気になったけれど、それ以外は概ね満足である。ストーリーの展開に伴いスケールは大きく、雰囲気はシリアスになっていくマーベルシリーズ(勿論それ自体が悪いということではない)。それが顕著に現れた『シビル・ウォー』において、コミカルさとキャッチーさをもって物語に緩和をもたらしていたのが、アントマンと今作の主人公であるスパイダーマンであった。その愛すべきキャラクター性は今作でも健在だ。アントマンが愛する娘のためのヒーローであったように、スパイダーマンはご近所のヒーローとして活躍する。ヒーローって元々そういう事じゃん?というそのミニマルさが僕は好きなんですよ。だからこそ最後の決断にはおおっとなりました。

以前から読みたかった本を買い込んでいるのだけど、読むペースが全く追いついていないので、積み重なって行く一方だ。まだ「読書」という行為に対して、ちゃんとしなくてはという変な意識がある。映画も昔はそうだったけれど、最近はなくなってきた。もっとフラットに考えられるようになりたい。

表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬
 

オードリー若林の『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』を読んでいる途中なのだけど、海外旅行に行きたい気持ちがすっかり大きくなってしまった。とは言え、しばらくまとまった休みもないだろうし、中学生の時に課題図書かなんかで読んだ沢木耕太郎の『深夜特急』でも読み返そうか。オードリーといえば『もろもろのハナシ』のキャンプ回が最高で、ずっと観ていたい。Gorillazの「19-2000 (Soulchild Remix)」がBGMに使われているのもグッド。超ベタだけど、ドライブ中に「イージューライダー」をみんなで歌っている様にグッときてしまう。車の運転と一人暮らしを目下の目標にしようと思います。

夏なんで

会社のアレで3週間ほど田舎生活を余儀なくされているのだけど、それももう明日で終わりだ。全国最高気温を叩き出すことで有名な土地が近くにあるので、昼間は暑くてたまらない。夜は風が気持ちよく、缶ビール片手に散歩しちゃったりね。ところで、きのこ帝国「クロノスタシス」の「コンビニエンスストアで350mlの缶ビール買って」というリリック、リズム感が素晴らしいですよね。周りにお店がなさ過ぎて、都会に慣れてしまった我々には暮らしづらい。でもまあ、同期もいるしなんだかんだ楽しかったかもしれない。部屋着で着ていたTシャツを見て、同期のひとりが「それってEMCだよね」と話しかけてきてくれた。そんなタイプの人とは思っていなかったのだけど、音楽とか映画の話をできて楽しかった。長いこと一緒にいると色々な話をするのだけど、みんな結婚のことやらお金のことやら、将来のことをしっかり考えていて驚く。自分が考えなさすぎなのかもしれないけれど。背筋が伸びる。

ジ、エクストリーム、スキヤキ』を観る。窪塚洋介井浦新ARATA)がつるんでいるのを見ているだけでもう最高(『ピンポン』のペコとスマイル!)。オフビートな会話を基本に進んでいくのだけれど、そこには確かなエモーションが。劇中で言うところの"流れの中の大きな出来事"については詳しく語られないのも良い。この映画大好きです。

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打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』がアニメ化するということなので、なんとなく『モテキ』の2話を観た。この映画を知ったのも、満島ひかりを知ったのもこのドラマだったなー。アニメ版の予告で流れていた「Forever Friends」、完全に原曲だと思っていたけどDAOKOのカバーだった。それにしてもアニメ版、どうなんでしょうね。そういえば『フリクリ』の続編の情報が公開されていた。『交響詩篇エウレカセブン』の劇場新作に『魔法陣グルグル』の再アニメ化もあって、今何年だよという感じ。大好きな作品の続編ということで嬉しいのだけど、楽しみなような不安なような。まあ「不味いラーメン食ってみたりするのもさ、なんかおもろいじゃんよ」とハル子さんも言ってましたしね。

スピッツの過去作のアナログ盤が届いていると思われるので、早く帰って聴きたい。この前、くるりのアルバムのベストは決められないということを書いたが、スピッツも決められないな。単純な人間なので、夏の曲をよく聴くようになった。昔からジメッとした日本の夏って感じの曲が結構好きなのです。かせきさいだあの「じゃっ夏なんで」とか、bloodthirsty butchersの「7月」とか。最近だと台風クラブの「処暑」とかね。打って変わってこちらはカラッとした夏な感じですが、Calvin Harrisの新譜が評判に違わず良いです。免許をとって以来まともに運転をしたこともないのだけど、これをカーステレオで聴くためだけにドライブしたいな。めっちゃ気持ち良いだろうな。鎌倉とか久しぶりに行きたいな。あとはRhyeの待ちに待った新曲。「Rhye好きにオススメ!」という煽り文句を見るたびに、俺が聴きたいのはRhyeなの!という気持ちになっていたのだけれど、ようやくです。yojikとwandaのアルバムも楽しみだなー。「ナツ / Summer」超好きです。

いつも通りやるだけ

社会人になってもう少しで3ヶ月になろうとしている。朝早く起きるのはそりゃもちろん辛いけれど、意外となんとかなるもので、休みの日も6時に目が覚めてしまったりする。人間の適応能力恐るべし。それにしても週末のありがたみよ。SMAP「SHAKE」の「明日は休みだ仕事もない 早起きなんかしなくてもいい」が身に染みる。全然関係ないけれど、三四郎相田の「SHAKE」の時のキムタクのモノマネが好きです。

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研修で色々な所へ行って、その先々で違う人に面倒を見て貰っているのだけど、休憩時間や雑談の中でその人のパーソナルな部分に触れる瞬間が面白い。家族、友人、仕事、趣味、夢、現実、過去、未来、喜び、悲しみ。年齢や立場、境遇の異なる様々な人生を少しずつ覗き見て、その景色の違いを知る。絶望的な"わからなさ"に圧倒されることもあれば、意外な共通点でもって不意に重なり合う瞬間もある。どんどんと広がっていく人間関係。期待と不安。広大な海を漂う気分。そんなことを考えたり考えなかったりしながら日々過ごしています。

もう暫くは研修が続くので、まだ本格的に働いているという感じでもないのだけれど、しっかり遊びや趣味の時間も取れているので良い感じ。映画に関して言えば、むしろ以前より観に行っているくらいだ。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVol.2』がなんたって最高で、もう2回観に行っている。前作同様、タイトルバックの素晴らしさよ。宇宙怪獣との壮絶な戦いを繰り広げるメンバーを後目に、争いだとかいった事に囚われることなく、軽やかにステップを踏み、躍動するベビー・グルートの姿を君は見たか!極力ネタバレを避けて公開初日に観にいったので、「Mr. Blue Sky」のイントロが流れ始めた瞬間、思わず笑みが溢れた。これは余談ですが、今思えばELOの一昨年のアルバムはジャケットといいタイトルといい、完全に『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』ですね。

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Alone in the Universe

Alone in the Universe

 

どのキャラクターもより魅力を増しているが、個人的にはドラックス推しである。深い悲しみを裏に潜めた高らかな笑いとか、とぼけているようで「本当のこと」や「美しさ」をちゃっかり捉えてしまっている感じとか。ソヴリンの艦隊のアーケード感みたいな小ネタも充実で満足。複雑になってきたMCUの中でもシリーズ単体で十分に楽しめるタイトルだと思うので、是非。『モジャ公』を遂に読みました。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の引き合いに出されていて知ったのだけど、センスオブワンダー溢れるSF冒険活劇の傑作だった。

モジャ公 (藤子・F・不二雄大全集)

モジャ公 (藤子・F・不二雄大全集)

 

マーベル繋がりでいうと、『LOGAN/ローガン』も良かった。X-MENシリーズは殆ど見たことがなく、基本的な知識があるという程度の自分でも楽しめた。なんなら泣いた。全編を通して漂っている埃っぽさ、ブルージーな感じが好みでした。容赦なくスパスパと切れるアクションシーンも気持ちよかった。何よりも、次の世代へ繋げて「きちんと終わらせる」ということを誠実に描いていて好印象。フジロッ久(仮)がいつか言っていた「終わらないただひとつの方法の話を思い出した。

社会人になってから、というかたまたま番組のスタート時期が同じだったりして、以前よりもバラエティ番組をよく見るようになった。復活した『NEO決戦バラエティ キングちゃん』は毎回面白くて1週間の楽しみだったのだけれど、終わってしまい残念。シーズン3を切に願う。『バナナゼロミュージック』の「おしゃれ音楽の正体」の回が面白かった。『関ジャム』などもそうだけど、こういう番組を地上波でやってくれるのは嬉しい。

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『バナおぎやドリーのもろもろのハナシ』はバナナマンおぎやはぎ、オードリーの3組が同じ空間で駄弁っているというだけで幸せ。紹介されていたこんぴら茶屋の牛かれーうどんが美味しかったです。ところで近頃、食に対する関心が高まってきているように感じる。会社の近くにご飯屋さんが沢山あるので、昼休みに先輩に連れて行って貰ったりしている。最近できたらしい鶏わさ丼のお店がめちゃウマでした。食べてばかりではなく運動も。ソフトボール、フットサルと来て、最近は仕事帰りのバッティングセンターにボウリングだ。この調子でコンスタントに運動する機会をつくっていきたいなと思っております。

もうすっかり夏の様相を呈していますが、くるりの「春風」を最近よく聴いている。名曲だなー。『ベストオブくるり/TOWER OF MUSIC LOVER』の「ハローグッバイ」、「春風」の並びが凄く好きだ。音楽好きの間でよく交わされる「どのアルバムがベストか」という問いですが、くるりの場合は本当に選べない。

最近良かった曲と映像

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休みの日や仕事終わり、大学時代の友人や後輩と久し振りに会って話をする。仕事のこと、暮らしのこと、就活のこと、共通の知り合いのこと、彼氏彼女のこと、趣味のこと、昔のこと。「みんな変わらないね」なんて言うけれど、たぶん少しずつ変わって行く。変わらないもの、変わっていくもの。どっちがどうとかではない。過ぎる日々に流されながらも、いつも通りやるだけ。

またいつかパーティを

グアムに卒業旅行に行ったのがもう1ヶ月以上前だ。酷かった日焼け跡も気がつけば皮が剥けきり、すっかり落ち着いた。大学、サークル、アルバイト、様々なものに別れを告げた。容赦無く進む時計の針。それに抗うように、夜通し遊ぶ日々。毎日の境目が曖昧になっていく。そんで気がつけばもう4月。朝まで遊んだ帰り道には、いつもだいたい決まってシャムキャッツの「AFTER HOURS」という曲を聴く。この前も聴いていた。大学生活、あるいは青春時代をパーティなんてものに例えるとするならば、今はちょうどそのアフターアワーズなのかもしれないなあ、なんてことを思った。あと数時間もしないうちに、それぞれがそれぞれの生活に身を委ねていくことになる。とはいえ永遠の別れという訳でもない。たまにはまた集まって、ささやかなパーティでもやろうじゃないか。

アニメ『リトルウィッチアカデミア』 -好きなものを好きだと言うこと-

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リトルウィッチアカデミア』は、アニメミライという文化庁による若手アニメーター育成プロジェクトの一環でTRIGGERによって制作された、30分ほどの短編をその発端とする。その後クラウドファンディングを経て、劇場版である『リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード』が公開。そして現在放送中のテレビシリーズに続くという流れだ。今年の正月休み、テレビシリーズ放送に先駆け、前二作品をNetflixで観賞(Netflix万歳!)。その素晴らしさに興奮していた。

タイトルからも分かるように、本作は魔法をテーマにした作品なのだけれど、そもそも、静的であるはずのものを動かす、という点において、魔法というテーマとアニメーションという手法の親和性は非常に高いのだ。このことは70年以上も前のディズニー映画『ファンタジア』が証明している。箒がバケツを持って歩くあのシーンは、本編を観たことがない人でも知っているのではないだろうか。あれは「魔法使いの弟子」という一編におけるシーンだが、他にも「くるみ割り人形」では、キノコや花といった静物が華麗にダンスを踊る。そのアニメ的快感!今作にもそれがしっかりと息づいているように思う。劇場版、テレビシリーズともに『ファンタジア』のオマージュと思われる箒のシーンがあることから、意識しているのは確実だろう。

トーリーは超王道。落ちこぼれの主人公アッコが、憧れであるシャイニィシャリオのような魔法使いになるため奮闘する物語だ。その眩しいほどの真っ直ぐさというか、純粋さは往年の夕方アニメや休日の朝アニメ、もしくは児童文学のようでもあり、非常に気持ちが良い。(であるから当然、『キルラキル』のようなものを予想していると肩透かしを食らう訳だけれども。)加えてキュートなルックと、TRIGGERらしいハチャメチャ感。観ていてとても楽しい作品だ。

しかし、それだけではない。私がこの作品を好きな理由が他にある。それは、この作品が「"好きなもの"に対する愛や情熱」への賛歌であるということだ。この作品に登場するキャラクターには皆それぞれに"好きなもの"がある。シャイニィシャリオ、ナイトフォール、キノコ、毒物、メカ、お菓子、ピアノ、etc.…。そしてこれらは必ずしも周りから理解されているわけではない。時には「必要のないもの」として扱われる。この「必要のないもの」というのが現代文明における魔法という大きな物語に繋がっていくあたり上手いなぁという感じなのだけれど、それは今回置いておこう。話を元に戻す。アッコが好きなシャリオは魔法界では評判が悪く、その魔法は低俗な見世物だと非難を浴びることもある。それでも彼女はシャリオが好きだと言い、憧れ続けるのだ。そんなアッコのシャリオに対する情熱、もしくはコレクションしていたカードの知識が!ロッテのナイトフォールへの愛が!物語を好転させていく。それはまるで「理解されずとも好きなものを好きであり続ける」、「好きなものを好きだと言う」という行為を肯定しているかのようだ。

まだちっぽけな魔女だけど、夢があるから楽しいよ!
心の中にシャリオの笑顔があれば、世界が虹色に見える!

と清々しいほど真っ直ぐにシャリオへの愛を語るアッコの輝きは、アンドリューの「必要のないもの」として虐げられてきたピアノへの想いを呼び起こす。そうだ、好きを貫く人は超まぶしくて、超素敵で、超かっこいいのだ!

好きなものを好きだと言うことは意外と簡単ではない。それが周りに理解されないものであるなら尚更、その声の多くは、周りからの野次や圧力によって抑え込まれてしまう。しかしそれは確かに尊い行為であり、その声はきっと何処かの誰かに響くだろう。

インターネットもぐもぐさんの言葉を借りるならば、それはまさしく白魔術なのだ。ポジティブな気持ちや発言が世界を良い方へと転がしていく。そんな白魔術を信じる者のひとりとして、この作品を愛さずにはいられないのです。

『四畳半神話大系』

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四畳半神話大系』という作品をご存知であろうか。森見登美彦による同名小説を原作とした、アニメーション作品である。監督は『夜は短し歩けよ乙女』、『夜明け告げるルーのうた』、『DEVILMAN crybaby』などで今一層話題の湯浅政明である。そんな監督の作品であるというだけで今作を観る理由は十分かもしれないが、なぜ今この作品の話なのかというと、少し前に一部で話題になっていた小沢健二の『流動体について』と『LA LA LAND』の共時性が関係しているその共時性については劇場に足を運び、この目で確かめてきたのだけれど、観てびっくりである。偶然にも、同時期に再放送された今作も、それらとゆるやかにリンクしているではないか。そこで、再放送が終わりひと段落した今、筆をとっているわけです。本作の特徴は、その独特な語り口と実験的とも言える斬新なアニメーション、そしてアジカンのジャケットなどで知られる中村佑介によるキャラクターデザイン、とまあ決してとっつきやすい作品とは言えないが、ハマる人にはどストライクだろう。かくいう私もそのひとりだ。とはいえ、ストーリー自体は誰もが経験するような大学生活にまつわるもので、共感できる部分もあるのではないだろうか。共時性云々を抜きにしても面白い作品ではありますが、『流動体について』、『LA LA LAND』と併せて『四畳半神話大系』も是非。そして、どうせ観るなら最終話まで見届けて頂きたい!

以下ネタバレあり。

四畳半神話大系 (角川文庫)

四畳半神話大系 (角川文庫)

 

率直かつ乱暴に言ってしまえば、今作もまた、平行世界についての話だ。基本的に1話完結のスタイルで、毎回主人公である「私」が、大学入学時に所属するサークルを選択するところから始まる。要するに、所属するサークルの選択によって変化する平行世界の物語だ。薔薇色のキャンパスライフを求める「私」は、奇人たちに囲まれて過ごす不毛で退屈な日々に嫌気がさし、もし他のサークルを選んでいればもっと充実した大学生活が送れたに違いない、と後悔の念を抱く。その視線は、ありえたかもしれない平行世界を追い続ける。そうやって繰り返される平行世界の物語を経て迎える最終話。それまでに散りばめられてきた要素が収束し、「私」の成長とともにようやくひとつの結末に辿り着くというカタルシス!1クールかけて放送するテレビアニメという媒体ならではであり、素晴らしい改変である。原作小説は勿論面白いのだけれど、個人的にはこのアニメ版の構成が好きなのだ。

非常に見事な最終話なわけだが、その中でもとりわけ好きなシーンがある。「私」が無限に広がる四畳半世界を彷徨う中で、現実世界に想いを馳せる場面だ。外の世界に出ることは叶わず、食べるものは魚肉ハンバーグとカステラしかない状況下で「私」は、食べ物ややりたいこと、周囲の人間のことを夢想する。

生協の薄い味噌汁。温泉卵。卵焼き。ほうれん草のおひたし。鯵の塩焼き。キンピラゴボウ。納豆。鰻丼。親子丼。牛丼。他人丼。かやく御飯。ひじき。鰤の照り焼き。鮭の塩焼き。天津飯。焼き豚ラーメン。卵とじうどん。鴨なんばん蕎麦。餃子に中華スープ。鶏の唐揚げ。もちろん焼肉。カレー。赤飯。野菜サラダ。味噌をつけた胡瓜。冷やしたトマト。メロン。桃。西瓜。梨。林檎。葡萄。温州蜜柑。

小説 最終話「八十日間四畳半一周」

もしここから出られたら
カフェコレクションのたらこスパゲッティを食い
猫ラーメンをすする
銭湯の広い湯船にざぶんと浸かって
河原町で映画を観る
蛾眉書房の親父とやりあい
大学で講義を聴くのもいい
樋口師匠に弟子入りして猥談に耽り
羽貫さんの地獄のエンドレスナイトを味わい
城ヶ崎氏の意味不明な情熱映画につきあい
秘密組織にも身を置いてみよう

アニメ 最終話「四畳半紀の終わり」

食べ物の名前や、些細な行為の列挙によって浮かび上がる、閉じられた世界では決して味わうことの出来ない現実世界の豊潤さ。不毛とも思えた現実を優しく包み込み肯定する。

サッチンと繋いだ手の温もり
あの時の朝の光 特別な感じ
ドライブ 寿司 首都高の灯り
渋谷 カーティスのレコード 遠くの子供の声
真夏のビール ピアノの音色
正月の西新宿のビル街 モノポリー
海 クラブ セックスの後の蝉の声
真夜中のコンビニ

という具体性を持った言葉の羅列でもって、現実世界における喜びを、なんとなく、しかしはっきりと提示してみせた口ロロの「Tonight」を連想する。(こちらも大好き!)

 

とまあ結果的になんやかんやあって四畳半世界から脱出した「私」は、過去の選択への後悔はそのままに、過去のあやまちを肯定するまではいかずとも、大目に見てやれるようになる。それこそ四畳半が六畳に変わる程度の、ほんの些細な成長ではあるが、ありえたかもしれない平行世界に想いを馳せつつ、それらに手を振り、"今此処にあるもの"に目を向け始めるのである。

我々は運命の黒い糸で結ばれているというわけです

という小津のセリフは、「私」を縛る呪いのようなものとして繰り返される。しかしそれは、どんな道を選ぼうと、いつかは必ず真に理解し、心を通わせることのできる存在に出会えるのだという、現実世界を生きて行く上での希望でもある。その希望は、我々の視線を前へと向けさせてくれる。

僕たちの現在を
繰り返すことだらけでも そう
いつか君と出会おう
そんな日を思って 日々を行こう

「迷子犬と雨のビート」

最近観たもの・聴いたもの

引き続き、2016年の比較的評価の高い作品を鑑賞。『ヒメアノ〜ル』『アイアムアヒーロー』『ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK‐The Touring Years』『ズートピア』『葛城事件』『団地』。この中だと『ヒメアノ〜ル』が個人的にキターって感じでした。あの奥行きのある画面構成、とても癖になりそう。そして言わずもがなの森田剛の演技。タバコを注意されたときの「もう吸ってないんで」とか、銃を撃ったときの「うっせぇー」のあの感じ!笑いとスリルと切なさそろい踏みの素晴らしきエンターテインメント。エンドロールを眺めながら、全然会っていない中高の友人の顔を思い浮かべていた。

ズートピア』はなんだか綺麗に完成されすぎていて逆に物足りない、というよく分からない感想を持つくらいの傑作でした。『アイアムアヒーロー』の冒頭30分に興奮し、『葛城事件』にヘビィなパンチを喰らい、『団地』で脱力する感情のジェットコースター。『クリーピー 偽りの隣人』と『デッドプール』も借りていたのだけど、時間が取れなかったため観れず…。たまには所謂クソ映画も観たいと思うのだけど、これだけ面白い未鑑賞の作品があると中々箸が進まない。

今年はもっと映画館に足を運ぼうと決意したので、2度目の『この世界の片隅に』と『マリアンヌ』を鑑賞。『この世界の片隅に』もそうだったけれど、『マリアンヌ』も音響が印象的だった。突然の銃声だったり、空襲警報だったり。他に印象的といえば、やはり鏡を使った演出。洗面台の鏡のアレはホラー映画的でドキドキしたな。あと画が良いのなんの。冒頭の砂漠のシーン、屋上からみたカサブランカの街並み、落ちた戦闘機と煙立ち上る街をバックにして映される家族の幸せな瞬間。

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マリオン・コティヤール繋がりで『ミッドナイト・イン・パリ』を観る。別にパリに対して特別な憧れを持っている訳じゃないけれど、あれだけ魅力的に撮られたら好きになってしまうよな。これまたロバート・ゼメキス繋がりで『フォレスト・ガンプ 一期一会』。そういえばトム・ハンクスはこの前観た映画でも走ってたな。『ドクターストレンジ』は評判を聞く限り、あまり期待はできなさそうだけれど、この映画こそでかいスクリーンで、できればiMAX3Dで観なくちゃ意味がないと思うのでそのうち行こう。

録画がどんどん溜まっていく今期のドラマ。ようやく『カルテット』に手をつけ始めた。ツイッター高橋一生がどうのこうのとか言っておきながら観ていませんでした。まだ1話の段階なので、これからの展開にワクワク。抜群に面白いのだけれど、いちいち意味があり過ぎて気軽には観られなさそう。ダラダラ観られる『住住』があるから丁度いいか。『東京タラレバ娘』は一応録画はしているけれど、どうしよう。

それでも町は廻っている』の最終巻を読んだ。読んでしまったのだ。約束された面白さがひとつなくなったのだと思うと寂しい。公式ガイドブックの時系列表や解説を読んでは、本編を読み返すということを繰り返していたら、あっという間に時間が過ぎてしまっていた。本当に良い作品なので読んだことのない人は是非。Homecomingsのインタビューで名前が挙げられていて気になっていた、スチュアート・ダイベックの『シカゴ育ち』を買ったので少しずつ読み進めている。とても文学的。良いです。

いつの間にやらリリースされていたCommunionsのアルバムがとても良く、ヘビーローテーションしている。あとはDirty Projectorsの先行配信されているやつ。CD棚を整理していたら懐かしくなってThe SALOVERSを聴いた。カックイイぜ。そういえばayU tokiOツイッターで「EQUALロマンス」を好きだとつぶやいていたのだけど、完全に同意!『らんま1/2』の主題歌だと「ド・ン・マ・イ来々少年〜Don't mind lay-lay-Boy〜」とかも大好きだ。「高橋留美子作品といえば?」という質問でその人の大体の年齢がわかるような気がする。自分は完全に『犬夜叉』世代なのだけど、キッズステーションでずっと観ていたので断然『らんま1/2』派だ。

Negiccoの「愛、かましたいの」好きですね。中華繋がりで思い出しました。

ミツメの「霧の中」のMV、超クールだ。雰囲気あって役者の人かと思ったら、ミツメのメンバーなんですね。